もう十何年も前のこと、夏の終りの北海道を旅したことが
北の大地の雄大な景色は、忘れられない一生の思い出です。
やや時期は過ぎていたけれど、富良野のラベンダー畑は圧巻。
丘に広がる青紫の絨毯は、いつかドイツ旅行で出会った
菜の花畑の黄色い絨毯に匹敵する、まさに壮大な眺めでした。
ラベンダーにはいくつかの花ことばがあるようですが、代表的な
ものだけピックアップしてみます。
一つには、「沈黙」。あの優美な香りには鎮静効果があるそうで、
静寂、落ち着きなどを連想させる所以かもしれません。
もう一例には、「あなたを待っています」or「期待」。
ラベンダーという名の少女が、ある日、一人の男の子に恋を
しますが、その思いを伝えられないままずっと待ち続け、やがて
一凛の花と化してしまったという、花ことば、あるある伝説。
調べると、ラベンダーにはラテン語で「洗う」という意味もあり、
幼子のイエスさまの産着を、母マリヤがラベンダーウォーターで
洗ったという説もあるのだとか。古代ローマ時代の人々も、その抗菌、
浄化作用を知っていたという、その知恵にびっくりします。
ところで、マイガーデンにもラベンダーが咲いています。
8年前のことです。当時4歳だった孫がラベンダーの苗を持って
やって来ました。母の日のプレゼントに息子(彼の父親)が私のために
用意したもののようです。お父さんと一緒に鉢に植え替えてくれた、
あの時のラベンダー。今年も元気に花を咲かせてくれました。
ほかにも、せっせと運んでは置いていった野の草花たちもみな健在。
植物の成長に孫の成長を重ねて見られるのも、祖父母の格別な喜びです。
風にそよぐラベンダーを見ていると、心が落ち着いてきます。
ラベンダーの精神安定作用は、どうやら本物のようですね。