
最近は日本語が乱れているなどと言えば、老人のたわ言と一笑に
付されそうですが、やはり美しく、また奥ゆかしい日本語はどうしても
守りたい。そんな思いを持つ人は少なくないのではないでしょうか。
私が最も嫌いな今どきの言葉は「めっちゃ」、「めちゃくちゃ」です。
若者はもちろんですが、いい大人も抵抗なく使っているのを聞くと、
日本語の品格が危ぶまれ、何とか打つ手はないのかという思いが
高まってきます。
言葉は生き物とも言われ、時代とともに変わっていくのは、ある意味
自然なことですが、耳障りな、また知性や品格とは対極にある言葉が
市民権を得て当たり前になっていくのには賛同しかねます。
見識のある著名人が食レポで「めっちゃ美味しいです」とか、絶景を
見て「めちゃくちゃ綺麗ですね~!」などと感想を述べているのを見聞き
すると、アチャー、あなたもですか? と残念な気持ちになります。
「めちゃくちゃ(滅茶苦茶)」は本来、「道理に合わない」「でたらめ」
というマイナスイメージの意味を持つ言葉ですが、いつの頃からか
「とても(良い)」とか「ひじょうに(良い)」というプラスイメージを
兼ね備える言葉にすり替わったようです。少し前までは「超‥」が世の中に
氾濫していましたが、今は「めっちゃ」>「超」といった感じでしょうか。
他にも「ぶっちゃけ」とか、「それ日本語?」というおかしな言葉が出て
来ましたね。 「率直に言うと」「単刀直入に言うなら」というニュアンス
なのでしょうが、せっかく美しい日本語があるのだから、できるだけ
ボキャブラリーを増やして、ふさわしい言葉をチョイスしてほしいところ。
結局、老人の説教と、一笑に付されるのがオチでしょうけれど‥ね。