シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

母の日に想う

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   まばたきでつづった詩
              水野 源三

 口も手足もきかなくなった私を
 28年間も
 世話をしてくれた
 母

 良い詩を作れるようにと
 四季の花を
 咲かせてくれた
 母

 まばたきでつづった
 詩をひとつ残らず
 ノートに書いておいてくれた
 母

 詩を書いてやれないのが
 悲しいと言って
 天国に召されていった
 母

 今も夢の中で
 老眼鏡をかけ
 書き続けていてくれる
 母

  Poem Made by the Blinks

  Mother dear
  You attended on me
  mute with useless hand and feet
  For twenty-eight years
 
  Mother dear
  You showed me seasonal flowers
  so I made good poems

  Mother dear
  You wrote down my poems
  made by the blinks
  in your notebook/

  Mother dear
  You went to heaven saying sorry
  for that you couldn't write my poems
  any longer.

  Mother dear
  You are in my dreams at night
  kept writing my poems
  still now with eyeglasses.
                                    
              『私は私らしく』(フォレストブックス)より
 
「瞬きの詩人」と呼ばれ、心を打つたくさんの詩を残した
水野源三さんの一編の信仰詩です。水野さんは小学校4年生の頃、
病気の後遺症により、見る、聞く以外は何もできない重度の
障害を負うことになりました。失意に沈む心に、聖書のことばが
いのちの水となり、確かな希望を詩に綴るようになりました。

それは、母うめじさんの協力によるものでした。母の指さす
50音表の文字に、瞬きで示しながら一言一言をノートに
書き留めていったのだそうです。それは、二人にとっても
大変な忍耐と労力を要する作業だったと思います。

母。
子に、惜しみなく無償の愛を注ぐ人。
その母の愛の貯蔵タンクが乏しくならないように、
いつも愛を満たしてくださる神様。この愛の源の神様に
感謝する日が ❝母の日❞ なのだと思います。

私の母は15年前の5月9日に召されました。毎年、命日が
近づくと実家の兄が、母を思い出すためにと鉢花を贈って
くれます。今年は八重咲きのベコニアでした。
あでやかな花の中に、母の笑顔が偲ばれます。