ようやく桜の花便りが聞かれる季節になりました。これだけ多くの
人が開花を待ちわびる桜の引力。花冥利につきますね(^o^;)
わが家の裏山には桜並木が連なっており、散り際の頃には、大量の
桜吹雪が風に乗ってベランダに舞い落ちてきます。この季節の風物詩も
楽しみの一つになっています。
桜もそうですが、この時期の日本は百花繚乱。最も色彩豊かな季節
と言えるでしょう。今、わが家のベランダはブルーガーデン真っ盛り。
夫が去年、3品種がミックスされた「ブルーガーデン」という花の種を
購入し、秋口に蒔いておいたものが、今、まさに咲き揃っています。
ネモフィラとムラサキハナナ(諸葛菜)と矢車草。それぞれ違う青の
色味が良い具合に調和して、爽やかさを演出してくれています。澄んだ
空のようなネモフィラの碧色、ムラサキハナナの薄紫、ロイヤルブルーの
矢車草。甲乙つけがたしとは、こういうことを言うのでしょうね‥(^_^;)
ひたち海浜公園のネモフィラの群れは、風にそよぐ大海原の漣のよう。
ムラサキハナナは諸葛菜とも言われますが、その由来は中国、三国時代の
諸葛孔明が南征した折、兵士達が野菜不足で栄養失調になったため、
この植物を食用として栽培したからだとか。食べられるんですね(^o^;)
矢車草の青色を評して、野草研究家のマシューズという人が言いました。
「あらゆる青い花の中で、最も完全な青」だと。青の定義は別として、
私の中で「矢車草の青」には明確なイメージがあるので、マシューズの
思い入れのある言葉に1票! を入れたいと思います。
明確なイメージと書きましたが、1つのエピソードがこれ‥。
童話「人魚姫」の書き出しの部分にあります。(青空文庫から拝借)
海のおきへ、遠く遠く出ていきますと、水の色は、
いちばん美しいヤグルマソウの花びらのように まっさおになり、
きれいにすきとおったガラスのように、すみきっています。
ハンス・クリスチャン・アンデルセン著「人魚姫」/矢崎源九郎訳
子どもの頃に読んだ、この冒頭のフレーズはしっかりと脳にインプット。
以来、「青い色は矢車草=人魚姫の海の色」と相成りました(~_~;)
また別のエピソードとして、矢車草の特徴にも納得できます。この花は
乾燥しても色が褪せません。よくフレーバーティにきれいな青色の茶葉が
入っていますが、あれもそうなのでしょうか。
エジプトのファラオ、ツタンカーメンの墓を発掘した際、棺に収め
られていた副葬品の中に、青い色素を残した矢車草が残っていた話を
聞いたことがあります。まだ少女だったと思われる王妃が、若くして
亡くなった愛する夫のために花を添えたことを思うと、物悲しさが
漂ってくるようですね。
さて、一雨ごとに蕾が膨らみ、この週末には多くの花見見物客で
賑わうことでしょう。しかし、この季節になると決まって頭をよぎるのは、
あと何回、桜の樹の下を歩けるのかなという希望的観測‥。
嗚呼、しょうもない。言わずともよい高齢者のたわ言でした(~_~;)