シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

一粒の星、輝いて


 あの常識外れの暑さはどこに? 一気に押し寄せてきた寒気に

慌てて冬支度をする今日この頃。皆さまはいかがお過ごしですか。

 

 珍しく今週は外への用事もなく、フリータイムを楽しんでいます。

書棚を片付けながら、ふと、私の好きなエピソードが載っている

星野富弘さんの本のことを思い出し、また読みたくなって取り出して

みました。『四季抄 風の旅』立風書房)という詩画集の中の

「一粒の星」というエッセイ、とにかくユーモラスで大好きです。

こんな内容です。

 

 後頭部に十円玉くらいのはげがあるそうです。怪我をして、ずっと

上向きのまま寝ていたので、すれて、はげになったのだと。はげを

気に病んだこともあったけれど、それが思わぬところで役に立つ

ことも。星野さんは体操指導中の怪我が元で首から下の感覚が

ありません。その代わり、首から上は非常に敏感なのだそうです。

頭が痒くても手が動かないので、自分では搔けません。しかも頭の

上下には明確な区切りもない。そこで思いついたのが、はげを利用

することでした。お母さんに「かあちゃん、はげの上が、かいい」

と言うと、お母さんは一発で手を当てたそうです。手がかりの

なかった頭に区画整理が行われ、痒いところに手が届くように

なったのだとか。そして、最後のフレーズが素晴らしい! 

「今もはげは、私の頭に一粒の星のように輝き、健在である」と。

 

 A.デーケンさんが「ユーモアとは、にもかかわらず笑うこと

である」という名言を残されましたが、本当にその通り!! ふつう、

置かれている状況からは容易に浮かんでこないであろう、星野さんの

類まれなるユーモアセンスには感心するばかりです。

 

 これも、私の大好きな星野さんの一編の詩。

 

    「悲しみの意味」

 

   冬があり 夏があり

   昼と夜があり

   晴れた日と

   雨の日があって

   ひとつの花が咲くように

   悲しみと

   苦しみもあって

   私が私になってゆく

 

 悲しいことも、苦しいことも通り抜けた後に、そこには必ず

開花がある。実りがある。確かな救いの道が見えて来るようです。