シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

ふたたび、ベン・ハーを見て

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4月5日、ハリウッド映画の黄金時代を築いたチャールトン・ヘストンが亡くなり
ました。84歳だったそうです。

特にファンというわけではないけれども、少なからず私の人生の一端に影響を与えた
名優の訃報に、一抹の淋しさを禁じ得ませんでした。

ヘストンの代表作は、「十戒」「猿の惑星」など、たくさんありますが、何と言っても
彼の名を不動のものにしたのは、不朽の名作「ベン・ハー」ではないでしょうか。
ローマ帝国時代のユダヤ人貴族ユダ・ベン・ハーの数奇な半生に、イエス・キリスト
生涯を交差させて描いた壮大なストーリーです。

数えたことはありませんが、いったい今までこの映画を何度見たことか‥
埃くさい映画館が苦手で、ほとんど劇場に足を運んだことのない私には実に驚異的な
ことと言えます。昨日、ふたたびビデオで見て感慨を新たにしました。

ところで、この作品の作者のことをご存じでしょうか?
原作者はルー・ウォーレス。
実はこの人、キリスト教が大嫌いでした。聖書の教えの揚げ足を取ってやろうと、
キリストが生きていた時代の歴史的背景や、聖書そのものを、つぶさに調べて
いきました。ところが、聖書を読めば読むほど、そこに書かれていることが、一片の
疑いの余地もない事実だということに気づかされていきます。
熱心なクリスチャンの鼻をあかしてやろう、ギャフンと言わせようと意気込んでいた
当初の目論見は見事に覆され、心開かれた彼は、キリスト教徒に回心します。

迫害することを目的に打ち込んできた研究は、「ベン・ハー」という大ベスト・セラー
となって結実しました。ある意味、皮肉なことです。

ウォーレスは、主人公ジューダ(ユダ)=ベン・ハーの心境の推移を通して、
自分自身の心の変化を描きたかった。そして「探しなさい。そうすれば見つかる」
というキリストの言葉を、多くの人に知ってほしかったのかもしれません。


名優チャールトン・ヘストンの演じる十戒モーセベン・ハーも、これからも
間違いなく多くの人々に称賛され、語り継がれていく映画であり続けることでしょう。

ただ一つ遺憾に思うことがあります。
映画を通して、これほどまでに力強く聖書の福音を伝える人物を演じきったチャール
トン・ヘストンが、後に全米ライフル協会の会長となり、銃を擁護する立場に至った
ことです。平和の尊さを伝えるメッセンジャーとしての役割を担った彼が、なぜ?
それだけが、わだかまりとなって私の心に残ります。