1960年代に日本でも大ヒットした「花はどこへ行った」
(原題:Where Have All The Flowers Gone?)という反戦歌を
ご存知でしょうか。明るくリズミカルなメロディのリフレインからは、
“反戦”という重苦しいイメージがまったく結びつきません。
おそらく、どの世代でも「あ~、この曲ね」と思い出される方は
多いのではないかと思います。
アメリカのフォーク歌手 ピート・シーガーが、ロシアのノーベル賞
作家ショーロホフの『静かなドン』の中に、コサック民謡として
紹介されていた歌詞にヒントを得て、作詞作曲を手がけたそうです。
この曲を最初にリリースしたのは、アメリカのキングストン・トリオ
というグループでしたが、当時、音楽の主流だったフォークシンガー
たちに歌い継がれ、世界中に広まっていったようです。
私は、P・P&M(ピーター・ポール&マリー)やブラザーズ・フォアの
歌でこの曲を聴いていましたが、日本でも多くの歌手が歌っていたのを
覚えています。1960年代、ベトナム戦争の惨禍を憂い、反戦を訴える
人がどれほど多かったかを物語るものだと思います。
英訳、和訳の歌詞を読み比べながら、お聴きになってみてください。
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花はどこへ行った 原題:Where have all the flowers gone? 作詞作曲:Pete Seeger - YouTube
少女は野に咲く花を摘みました。
愛する人と結ばれました。
夫は兵士となり、戦場へ行きました。
兵士となった夫は戦死し、墓に葬られました。
墓はいつしか草に隠れ、野原は花が咲いているだけでした。
その花を、また別の少女が摘んでいき‥。
‥‥‥
戦争の後に残るものは、虚しさだけ。
そのことを、人はいつになったら学ぶのでしょう‥
この曲のヒットから何十年‥。人の心は変わったでしょうか。
When will they ever learn?(いつになったら気づくの?)
繰り返されるフレーズに、学ぶことのない人間の愚かしさが
浮き彫りにされ、心が重く沈みます。
【祈り】
切なくも悲しい物語が繰り返されることのないように‥。
今も戦闘が続くウクライナの大草原に、美しい花が咲く日が
一日も早く来ますように‥。