木の実としてのアーモンドは知っていても、その花がどんな色や形を
しているのかを知っている人は少ないと思います。
アーモンド。‘あめんどう’とも言われる果実。
それはちょうど桃や杏の花に似て、愛らしくたおやかです。
恥じらう乙女の頬のような薄紅色は、心の石も溶かしそう‥
今、教会の礼拝で、聖書の最初の書物〈創世記〉を読んでいますが、
アーモンドが象徴的に出て来ます。
「ヤコブは、ポプラとアーモンドとすずかけの木の若枝を取って‥」
創世記30章37節
ヤコブは繰り返される嫌がらせにも屈せず、アーモンドなどの若枝を
用いる知恵を働かせ、家畜を殖やします。神様の祝福がヤコブに注がれ、
彼はますます富むようになっていきます。
ここでは、アーモンドは豊かさの象徴であり、神様の恵みの
約束のしるしなのです。
「‥見ると、レビの家のアロンの杖が芽を吹き、つぼみを付け、
花を咲かせ、アーモンドの実を結んでいた。」
民数記17章 21-23節
これは出エジプトの苦難の旅の中で、モーセの兄アロンの杖にだけ、
アーモンドが芽を出し、花が咲いて実を結んだというドラマティックな
場面です。苦難の旅は人々にとって、祭司アロンへの不平不満を
募らせるものでした。そこでモーセは部族ごとの杖を神の幕屋に置き、
神様の判断を仰いだところ、アロンの杖だけにアーモンドが結実したのです。
ここでもアーモンドは神様の恵みの象徴として登場しています。
何気なく見ている花にも、調べればそれぞれに伝承があるのかもしれませんね。
とても興味深く思われます。