シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

ルツ記、先の見えない中での一歩から

  

 

 そもそも、聖書から学んだことをブログに書き留めてみようというのが、

ブログを始める動機でもあったわけですが、いつのまにか普通のつぶやき

ブログになっていることを反省しています(^o^;) 初心に返り、今日は

最近の礼拝説教を振り返ってみようと思います。

 

 旧約聖書に「ルツ記」という書物があるのをご存知でしょうか。

ルツとは、不運に見舞われた姑のナオミに、どこまでもついて行こうと

決意した、健気な嫁の名前です。

 ルツ記は旧約聖書士師記とサムエル記の間に挿入された、たった

4章の短い書物です。血なまぐさい戦いの続く時代の間(はざま)に、

ちょうど砂漠のオアシスのような位置づけで置かれた嫁姑の物語。

ホッと一息つける小さな休み場は、神さまの配慮なのでしょうか。

 

 ルツ記のあらすじを要約してみます。

ナオミとその夫はイスラエルベツレヘムに住んでいましたが、酷い

飢饉のためにモアブという地方に移住することになりました。ユダヤ

である彼らが、神さまの約束の地ベツレヘムを離れ、異邦の地で暮らさ

なければならないほどの大飢饉でした。

 

 ベツレヘムとはヘブル語で「パンの家」を意味します。本来なら、小麦が

豊かに実る肥沃な土地なのでしょう。 ミレーが描いた「落ち穂拾い」や

「晩鐘」がルツ記を背景にしていることからも、それが伺えます。

 

 モアブに移住したナオミに不幸が襲いかかります。まず夫が死に、続いて

二人の息子を亡くします。息子たちの妻は二人ともモアブ人でした。

先が見えない不安の中で、ナオミは「主がご自分の民を顧みて、彼らに

パンをくださった」(ルツ記1章6節)という風の便りを耳にします。

故郷の飢饉が収まり、麦の収穫ができるようになったことを知りました。

神さまの憐れみを確信したナオミは、ベツレヘムへの帰郷を決意します。

ただ、自分だけならまだしも、異邦人の嫁を連れ帰ることには大きな

不安があります。ナオミは二人の嫁に、安心して暮らせるモアブの実家へ

戻るように諭します。弟嫁は泣く泣く姑の言葉に従い別れを選択しましたが、

兄嫁のルツは、「私はどこまでもついて行きます」とナオミから離れよう

とはしません。結局、ナオミはルツを連れてベツレヘムへ戻りました。

 

 ルツはモアブでの暮らしの中で、姑の人間性に惹かれ、絶大な信頼を

寄せていたことが分かります。それだけでなく姑の信仰をも尊敬の念で

受け入れていたのでしょう。二人の間には信仰的な、また人格的な麗しい

一致がありました。

 

 ベツレヘムで物語は急展開するのですが、続きはここでは省きます。

もっとも驚くべき事実は、この家族から、やがてイエス・キリスト

系譜に名を連ねる重要な人物が出たということ。確かにイエス系図には、

ルツの名前が書き記されているのです。

 名もなき女性のひたむきな信仰が、世界を大きく変える一歩となった

という事実に心が震えます。そして、ルツ記を読むたびに、清々しい

風が全身に吹き抜けるのを感じます。

 

※写真:小5の孫が手作りパンを届けてくれました。しばし我が家が、

ベツレヘム(パンの家”)になりました。 モチモチして、とても

美味しいパンでした(*^^)v