怠け者よ、蟻のところへ行け。
そのやり方を見て、知恵を得よ。
蟻には首領もつかさも支配者もいないが、
夏のうちに食物を確保し、
刈り入れ時に食糧を集める。
怠け者よ、いつまで寝ているのか。
いつ目を覚まして起き上がるのか。
少し眠り、少しまどろみ、
少し腕を組んで、横になる。
すると、付きまとう者のように貧しさが、
武装した者のように乏しさがやって来る。
(箴言6章6-11節)
旧約聖書、箴言(しんげん)にあることばです。2つ目の「怠け者よ」
の行から、もっと分かりやすくリビングバイブル訳で書いてみます。
ところが、あなたがたは眠ってばかりいます。
いったいいつ目を覚ますのですか!
「もうちょっとだけ寝かせてくれよ」と頼みますが、
その「ちょっと」が曲者なのです。
のんびり眠っている間に貧乏神に取りつかれ、
気がついた時には手遅れです。
長男が高校生の頃、教会学校でこの聖書の箇所を読み、部活や
夜ふかしで疲れ果て、まさに眠り呆けている自分の姿を指摘され、
本当に神さまが自分を見ていて「怠け者よ、いつまで寝ているのか!」
と言われた気がしたと、畏怖の念を覚えて帰宅した日のことを
懐かしく思い出します。
童話「アリとキリギリス」にもあるように、蟻は「働け」と命じる
ボスがいようがいまいが、先を見通す知恵を持ち、巣作りのために、
また食糧の蓄えのために、冬の間の備えをします。
私たちも今は元気でいても、それが永遠に続くことはなく、いつか
人生の冬、つまりゴールを迎える季節がやって来ます。ですから、
蟻の習性から「時を知り、備えをする」ことを学びたいと思います。
人生の冬が来る前に――。