多くの人がパソコン、スマホを操る時代、ふむふむ‥、なるほどと
思える記事が載っていたのに目が止まりました。
ダイヤモンド社から出版されたビジネスパーソンのための戦略本、
『Simple「簡潔さ」は最強の戦略である』が、世界でベストセラーになり、
全米では25万部を超え、世界16カ国以上で刊行されているとか。
情報過多の現代、言葉は洪水のごとくあふれています。この膨大な
言葉の氾濫の中で、読み手、あるいは聞き手が一瞬で情報をキャッチ
できるように、出来るだけ言葉を少なく、簡潔にしようという、
“スマート・シンプル”なる戦略が広がりを見せているようです。
日本語でスマートは「洗練された」とか「ほっそりした」「手際が良い」
などの意味で使われますが、英語では「賢い」「素早い」といった意味
合いが強いので、“スマート・シンプル”という戦略は“賢さ・簡潔さ”を
謳ったものと言えそうですね。
現にメールやチャットの世界ではマルハラという言葉も出現し、
句読点無しの会話文が主流になっています。昔のように作法に則った
長文を書く人は少なくなりましたが、それでも習い性となると言いますか、
我々世代はつい書き過ぎる傾向があります。
少ない言葉で確実な情報を伝える。それができれば、時間も労力も
大幅に削減できます。この“スマート・シンプル”という発想をいつも
意識していれば、作文に限らず、いろいろな局面においても役立ち
そうな気がします。
以前、時の総理大臣を評し「多弁かつ空疎」と言われたた方が
いましたが、言葉に限らず人の心を動かすのに多くの付け足しは
不要なのでしょう。余計なものを削ぎ落とし、シンプルかつスマートな
エッセンスのみを提示していく。『Simple「簡潔さ」は最高の戦略で
ある』という本のタイトルが、なるほどと腑に落ちたので、書き留めて
おこうと思いました。