幼いころから書くことが好きで、心に浮かぶままに文字にして
いました。作文が好きというより、鉛筆や消しゴム、ノートを
集めることや、字を書くことが好きだったのでしょう。
最近は筆記具に代わってPCでの書き込みになりましたが、
文房具好きも継続中。ペンやノートは、もはやコレクション。
眺めて楽しむオブジェと化しています(-_-;)
30年近く自分史講座で学んでいますが、講師曰く、良い作文とは
「読み手が気持ちよく読める文章」「一気になめらかに朗読できる
文章」なのだそうです。この塩梅(あんばい)が、なかなか難しい。
なんとかその域に近づくように、何度も推敲を重ねるのですが、
自己評価できる作文は数少ないですね。
マタイの福音書12章34節に、こう書いてあります。
「‥心に満ちていることを 口が話すのです。」
思わず口をついて出ることばに、その人の本音が透けて見える
ことがあります。本心を隠すために、ことば数を増やし、表現を
変えて言いつくろっても、聴く人には、虚しく響く単語の羅列に
しか過ぎない。つまり「心にもないことを‥」というような、
そんな経験のある人は、けっこう多いのではないでしょうか。
よく集まる場所だったそうですが、宴もたけなわ、気を許した
者同士の会話の中心は、自慢、陰口、妬み、蔑みなどなど。
ゲーテは眉をひそめ、客に言いました。
「ゴミは落としても良いですが、悪いことばは全部、家に持ち
帰ってください。悪い言葉は空気を汚染するのですよ」
ことばには、その人の本質が宿っているのですね。口から出る
ひと言の重さ、文章にする一言の重さ。しっかりと、心に
留めておきたいと思います。
こんな詩もありました。付記しておきます。
「美しさ」 河野 進
川の美しさは 清い水の一滴から
海岸の美しさは 白い砂の一粒から
木の美しさは 緑の一葉から
人の美しさは やさしい一言から