今年は聖書通読にカウマン夫人の『荒野の泉 II 』という
霊想書を添えて読んでいますが、その本に書かれている多くの
例話や名言から力を得ています。真珠にまつわる興味深い記事に
出会ったので、感想を交え、書き留めておきたいと思います。
以前、伊勢志摩の真珠島に旅行をしたことがあり、真珠ができる
しくみを知ることができました。真珠に砂や虫など異物が入り
傷がつくと、貝は傷口を治そうと必死になり、貝殻に含まれる
真珠質の成分が分泌され始めて、真珠の核ができるそうです。
そして長い時間をかけ、核が何層にも包まれ、大きくなって、
天然の真珠が誕生するのだとか。
カウマン夫人は真珠の誕生を、ある小説のエピソードに重ね、
一つの例話を紹介しています。
たとえば、「ポンペイ最後の日」に出てくる目の見えない
花売り娘ナイーダ。彼女は自分が盲目であることを恨んだり
せず、生きていくために一生懸命働き、生計を立てていた。
そして、あのベスビオス火山の大爆発に遭った。人々は煙、
灰に覆われた真っ暗な町を右往左往するが、ナイーダは盲目の
ゆえに道に迷うことなく、確実に目的地に着くことができた。
ナイーダは盲目という十字架を暗黒の中で、神より与えられた
宝にすることができた。
(参照:『ポンペイ最後の日』はイギリスの小説家、ブルワー・
リットンの作品。西暦79年、火山の大爆発でローマ帝国の
町ポンペイが火山灰に埋もれて消滅した。)
傷つけられることによって、貝の思いもよらない力が
引き出され、こうした方法でしか完成しない美しいものが
造り上げられる。 ~『荒野の泉 II 』(本文より)~
ナイーダが持つ身体のハンディキャップとは違うもので
あっても、心に深い悩みや傷を持つ人は多いと思います。そんな
負の要素が、真珠のように価値あるものに変えられ、生きる
原動力になり得ることを教えてくれる例え話。感謝です。