シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

「稲むらの火」の物語から教えられること

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2月13日夜11時8分頃、福島県沖を震源とする、最大震度6強の

地震が発生しました。天災は忘れた頃にやって来る。10年前の

未曾有の大震災をけっして忘れてはいませんが、揺れの激しさに

動揺した人は多かったと思います。チリ地震津波東日本大震災

と2つの大きな地震を経験し、ある程度の肝は座っているつもりの

私でも、さすがにドッキリです。

瞬間的に当時の惨状がフラッシュバックし、身が縮みました。

 

インタビューを受けた被災地の方々の多くは、過去の経験が生きた

とコメントしていて、防災意識が根付いているのが分かります。

この防災意識が幸、不幸の分かれ道への鍵なのかもしれません。

 

戦前の国語の教科書、あるいは道徳の教科書に「稲むらの火」と

いう物語が載っていたそうです。1854年、安政南海地震津波

和歌山県)の時の実話を教科書用に作成したものだそうです。

ざっと、あらすじを書いてみます。

 

 当時、村は豊年を祝う祭りのさなかにあった。山手に住む庄屋の

五兵衛は、妙な揺れに違和感を覚え村を見下ろすと、村人は祭りの

準備に余念がない。次に村から海に目を移すと、波が沖へ沖へと

引いていくのが見えた。

 「これはただ事ではない」「津波が来る」と直感し、大きな松明

(たいまつ)を持ち出し、自分の田んぼの稲むらに火をつけた。

家の宝が燃えるのをいとわず、次々に火をつけていった。

「庄屋さんの家が火事だ!」と、村人たちは皆、急いで山に駆け

登った。山に着いた村人たちは、波にえぐり取られ跡形もなく

なった村を、呆然と見下ろすのだった。我に返った人々は、この

稲むらの火によって命が救われたことを知り、五兵衛に心から

感謝した。

 

 過去に見聞したことが、災害の時の重要な備えになるのだと

思います。ここ10年、余震が続いていますが、悲しいかな人は

喉元すぎれば何とやらで、警戒心が薄れているのも事実です。

地震を感じたら、油断せず、想定外のことが起きるかもしれない

と、気を引き締めたいと改めて思いました。

  庄屋の五兵衛さんのように慕われ、村人が心配して駆けつける

ような人間性を持ち合わせる人、経験をもとに瞬時に決断力、

行動力を発揮できるリーダーシップのある人が、今の時代にも、

ぜひ現れてほしいものです。まだ当分、続くであろう余震から

日々の暮らしが守られますよう、お祈りいたします。

 

※写真は7年前のちょうど今頃の時期に撮影したもの。

 関東地方は大雪が降ったのですね。かまくらの中で、雪玉を

 作りながら平穏無事を祈っている(?)、孫4歳の時。