椿にメジロ
2017年、105歳で天に召された医師 日野原重明さんの本、
『生きていくあなたへ』~ 105歳 どうしても遺したかった言葉~を読み、
静かな感動に包まれています。
私たちは人生の途上で、「なぜこんな理不尽なこと、許し難いことが
起こるのか」と、到底、受け入れられない出来事に出会うことがあります。
日野原先生はこう書いています。
神様のご計画は、人間には分かりません。人間には分からないけれど、
すべてには神様のご計画があると、僕は信じています。そして僕にそれを
信じさせるのは、「神は超えられない苦しみは与えられない。そして
その中で逃れる道を与えてくださる」という聖書の言葉です。
( 第4章 大切なことは すぐには分からない より)
人間の理解を超えた耐え難い現実を前にすると、もう二度と笑えない、
立ち直れない、多くの人はそう思うことでしょう。でも聖書には、神さまは
私たちに再び立ち上がる力も、最良の逃げ道も、あらかじめ備えていて
くださると書いてあります。今はその苦しみの意味が分からなくても、
いつか必ず乗り越えられる日が来るのだと…。神さまは私たちを最も
ふさわしい所に着地させようと壮大な計画を立てておられるのだと。
さまざまな試練は神さまの実地訓練。 On-the-job-trainingです。
苦境に身を置くことで自分自身の在り方、考え方の再確認をすること、
忍耐を学び、待つことの大切さを知ること。学んだことを周囲に適用
していくこと。神さまのレッスンには厳しい現実も多々ありますが、
心の目で、その先にある明るい世界をぜひ見たいと思います。
「なぜ?」 「どうして?」という心の嘆きに留まるのではなく、
物事には必ず意味がある。無駄なことなど一つもない。そう発想の
向きを変えることで、思いがけず、本当に大切なものが見えてくるの
かもしれませんね。
上述の本の中にもこう書いてありました。時間はかかるかもしれませんが、
「どんな戦地の跡にも必ず花は咲くのです。」
神さまの摂理の中で、私たちも戦い済んだ草原に美しい花々が咲き揃う
そんな日を信じて待つことができますように祈りたいと思います。
あなたがたが経験した試練はみな、人の知らないものではありません。
神は真実な方です。あなたがたを耐えられない試練に会わせることは
なさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も
備えていてくださいます。
(コリント人への手紙 第一 10章13節)