ベランダから眺める四季折々の空が好きです。
昨日の夕暮れ時の空は、絵画のような美しさでした。
空模様を言い表す時、よく乳色(ちちいろ)とか乳白色と
言うことがあります。昨日の空は、乳白色というより、
アイボリーがかった練乳色、そして、ピーチのルージュを
ひと塗りしたような柔らかな色合いが、見事に調和して
いました。空のキャンバスは絶えず変化して、ずっと
眺めていても飽きることがありません。
伝統色に“練乳色”という色が、あるのかどうか?
でも、コンデンスミルク色? あって正解の気もします。
練乳色の乳つながりで、話が飛びますが―。
乳香という、樹木から分泌される乳白色の油があります。
聖書にもよく登場する、高価な精油です。
旧約聖書ではシェバの女王がソロモン王に贈った乳香が
有名ですね。博識で名高いソロモンの知恵が、どれほどの
ものか確かめたくて、たくさんの贈り物を持って訪ねて
いった場面。その中の一つが乳香でした。
ときに、シェバの女王は主の御名によるソロモンの名声を
聞き、難問をもって彼を試そうとしてやって来た。彼女は
非常に大勢の従者を率い、バルサム油と非常に多くの金
および宝石をらくだに載せて、エルサレムにやって来た。
第一列王記 10章1-2節
バルサム油というのが、乳香だったようです。たいへん
高価な貴重品だったのでしょう。今でも、ほんの数mlで
何千円もするエッセンシャルオイルを思えば、その価値が
どれほどのものだったか、想像することができます。
新約聖書なら、クリスマス劇でおなじみの東方の三博士が
救い主を拝するために携えてきた、黄金、乳香、没薬の
くだりでしょうか。
好みが分かれるところでしょう。たしかに芳香なのですが、
芳醇、濃厚というより、やや青臭さが勝る、想像とは違う香り。
私はこの乳香、けっこう好きな香りです。
昨年、アイルランド旅行をした友人から、このエッセンシャル
オイルをお土産にいただきました。サンダルウッド(白檀)と
塗っておくと、とても爽やかに。リフレッシュ効果、抜群です。
練乳色の空から、エッセンシャルオイルまで。暇に任せて、
ぐるり一巡りの脳内トリップを楽しんでみました。
さて、ベランダから眺める本日の空には‥
練乳色ならぬ、七色の虹の架け橋が!
神さまが描く空のキャンバス。そのパレットには、神さまが
用意した無限大の絵の具が、出番を待ちかねているのでしょうね。