シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

しあわせを編む魔法の毛糸

  

 

 寒い冬、電車通学する中学2年生の孫のためにマフラーを編んであげ

ました。気に入ってくれたのか、「あったかいよ」と、いつも首に巻いて

いてくれます。そんなに喜んでくれるのなら、学校まで徒歩5、6分しか

かからないけれど、小学6年生の妹にも編んであげようかなと、毛糸を

探しに岡田屋さんへ。

 

  30代の頃、蒲田にあるユザワヤまで編み物を習いに行っていました。

その頃に買い集めた毛糸も残り僅か。しかも女の子がいなかったせいか

色も黒、グレー、茶と地味な糸ばかり。久しぶりに店頭に並ぶ毛糸を見て、

種類の豊富さにビックリしました。

 単色の糸はもちろんですが、今は段染め糸が主流なのか、色とりどりの

暖色系、寒色系の毛糸がズラ~リ(・o・) これはチョイスが難しい!

悩みに悩んでピンクや若草色が入ったパステル調の毛糸を選びました。

 

 「梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ」で販売しているオパール糸という

ものです。この毛糸の存在は、これまでメディアでも取り上げられていて、

うっすらとは知っていましたが、この購入を機に詳しく知ることに…。

 

 マルティナさんは東日本大震災発生当時、京都に住んでいましたが、

被災地の惨状に心を痛め、少しでも気持ちが紛れればと、気仙沼

編み物のセットを送ったことを機に、会社を設立するに至ったそうです。

もし自分が避難所で生活することになった場合、いちばん欲しい物は何か。

つらい時でも無心に手を動かせる編み物なら、きっと心の救いになる。

そう考えて、母国南ドイツの毛糸を取り寄せることにしました。

オパール糸はドイツ生まれの毛糸だったのですね。

 

 福島の原発事故もあり、日本在住のドイツ人には帰国命令が出たそう

ですが、マルティナさんは「日本の友達を残して帰国できない」と言う

息子さんの言葉に同意し、復興支援の道を決めたそうです。私の恩師でも

あるドイツ人宣教師もまったく同じ思いで日本に残り、原発に近い教会の

信徒とその家族に方々を一年間受け入れて、お世話をしました。到底、

きれい事では語れない尊い行動があったことは、もっと声を大にして

伝えていくべきではないかと思っています。

 

 さて、このオパール糸。本当に魔法のような不思議な糸でした。

段染め糸とは1本の糸に複数の色が配列されている糸のことで、模様が

どう変化していくのか、どのような仕上がりになるのかが分からない

面白さがあります。基本となるメリヤス編みを編んでいくだけで、

きれいな模様が浮かび上がってくるのですから、実に楽しい。ワクワク感、

ドキドキ感がいっぱいです。一瞬でも辛い現実から逃避できるとすれば、

それは編み物の醍醐味ですね。

 まさに、しあわせを編む魔法の毛糸。出会えたことに感謝です。