最近、パステル画仲間の皆さんに触発されて、人物(特に顔)の
絵を描いています。会では、その時々で描く題材は変わるのですが、
ここ一年ほどは人物を描くことが多くなりました。
というのは今年3月、サークル展を見て、パステル画を描きたいという
一人の男性が現れたことが背景にあります。昨年、奥様を亡くされて
ずっと引きこもりがちだったそうですが、「このままではいけない。心を
外に向けなければ」と思い立ったのだそうです。それにしても熟女(?)
だけのサークルに一人飛び込む勇気、なかなか素晴らしいですね(^o^;)
その男性、実は似顔絵が専門という、挿絵画家さんでした。見せて
くれた作品群には、若き日のオードリー・ヘップバーン、マリリン・モンロー、
アラン・ドロン、ウィリアム・ホールデン、エルヴィス・プレスリーなどが
ズラ~リ。 写真に見粉うほどそっくりの絵に、みんな口をあんぐり。
鉛筆一本で、ここまでリアルな人物が描けるとは…。まさに魔法です。
会のメンバーには人形を作る人やモデル画を描く方もいて、もともと
人物デッサンには素養のある方ばかり。大いに触発されて、それぞれが
描きたいモデルを見つけ、いちいち講釈を並べながら描くようになりました。
長い間、人物デッサンを習っていた私ですが、苦手意識が強くて、
なかなか作品に仕上げられずにいましたが、インディアンフルート奏者、
マークアキクサさんの演奏する姿の美しさに心惹かれ、描いてみようと
思い立ったのを手始めに、聖母子像の模写に挑戦するようになりました。
上の絵はサムホールサイズ(最も小さなキャンバス)の絵なので、
聖母のみになりましたが、フィリッポ・リッピ作「聖母子と天使たち」
という絵画です。頂いたポストカードの聖母の神々しさ、美しさを表現
したくて模写してみました。(実際の写真とはあまり似ていませんが^^;)
そしてこれは、ロベルト・フェルツィ作「街角の聖母」の模写。
元々は10代の少女と、その弟を描いたもののようですが、美しい少女に
聖母を重ねて、このタイトルがつけられたようです。
どんなものにも言えることですが、特に人物に誤魔化しはききません。
唯一無二の完全なフォルムだからです。どこか一箇所でも変なところが
あれば、不自然になります。だから人物を描くのは難しい! それゆえに
奥が深い。絵を描く者の心の葛藤が浮き彫りにされるようですね。
今は、モデルさんを招いてデッサンする機会はなくなりましたので、
せめて雑誌やポストカードの中の人物をモデルに選んで、模写に挑戦
したいと思っています。似ても似なくても、絵の勉強のために(*^^)v