シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

春によせる二編の詩

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 だいぶ前にも取り上げたことのある、内村鑑三の詩。

「春は来たりつつある」をもう一度‥。

 

  「春は来たりつつある」

 

  春は来たりつつある

  雪は降りつつある

  しかし 春は来たりつつある

  寒さは強くある

  しかし 春は来たりつつある

 

  春は来たりつつある

  春は来たりつつある

 

  雪の降るにも かかわらず

  寒さの強きにも かかわらず

  春は 来たりつつある

 

  慰めよ、苦しめる友よ

  汝(なんじ)の艱難(なやみ)多きにも かかわらず

  汝(なんじ)の苦痛(いたみ)強きにも かかわらず

  春は汝(なんじ)にもまた 来たりつつある

 

 東北の港町生まれの私は冬の厳しい寒さを知っています。

手がかじかむ氷のような潮風に、心も体も萎れます。でも必ず

春が来るという、季節の巡りも知っているから耐え忍ぶことが

できます。期待を裏切らない確かさを経験的に知る者の強みと

言えるでしょうか。

 

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 もう一つ、イギリスの抒情詩人、シェリーの詩から。かなりの

長編詩なので、キーフレーズだけを‥。

 

   「Ode to the West Wind」(西風によせる歌)

 

   The trumpet of a prophecy! O, Wind,

    If Winter comes, can Spring be far behind?

 

   (予言のラッパを吹き鳴らせ! おお 西風よ。

    冬が来たなら、春が遠いことなど ありえようか)

 

 「冬 来たりなば、春 遠からじ」。中国故事のように思って

いましたが、実はシェリーの詩から来たことばのようです。

 

 先日、コロナによる緊急事態宣言が延長されました。いつまで

この巣ごもり生活が続くのかと、心中モヤモヤが晴れませんが、

不平不満ばかり言っても始まりません。今は一人ひとりが髙い

意識を持って、責任を伴う行動をとることが最善策でしょう。

それが、「春 遠からじ」への一番の近道のように思います。