4、5年前、新聞広告の隅に、妙に気になる本のコピーを
見つけました。タイトルは忘れました。たしか「ルールもない、
上下も左右もない。規則性もない。思いのまま自由に線をつないで
いくだけ」と。そんなキャッチコピーだったと思います。それは、
アメリカが発祥という「ゼンタングル・アート」の図案集でした。
ゼンタングル・アート??? そんな感覚でしたっけ(~_~;)
サンプルの絵を見ると、子供の頃に描いた落書きのたぐい。
授業に飽きて、ノートの端っこに訳のわからない線や○△□を描き、
目鼻やリボンを描き足したり‥。結果、意味不明の絵が!! そんな
経験、誰にでもありますよね。まさに、それ。それなのです。
ゼンタングル・アートのゼンタングルとは、「禅」と「tangle
(絡ませる・巻き込む」を合わせた造語だそうです。精神統一、
集中力を高める狙いで、頭に「禅」の字を置いたのかもしれません。
実は私、こういう落書きが大好きで、気がつけばよく描いています。
だからキャッチコピーを見た時、これは絶対に性に合っていると
直感しました。すぐYou tubeで検索。試し描きしてみたら、案の定、
面白い。エンドレスに続けられる楽しさです。初心者用の図案集を
購入し練習を重ねています。特にルールがないから失敗もない。
このおおらかさが良いですね。
これは練習のため、図案通りに描いたトートバッグ。始めて間も
ない頃の作品なので、出来栄えは? まずまずでしょうか。
この季節、毎年、手作りのクリスマス・カードを教会に献品しま
す。今年は主にゼンタングル・アートの手法を採り入れました。
献品用、プレゼント用、自分用を合わせて55セット作りましたが、
一枚も同じ物がないのがプチ自慢。手間はかかるけど楽しい趣味です。
tangleの「絡ませる・巻き込む」の意味には、伝道にも通じるものが
ありますね。自分が聞いた最も良い知らせ(福音)を、まだそれを
聞いていない人に伝えること。それがクリスチャンの使命です。
決まり事はなくても当てずっぽうではなく、線をどう伸ばせば絵が
ピッタリつながるか。細やかな心を働かせてtangleする作業にも
共通するものがあるように思います。大勢の中の演説より、傍に
いる一人に伝える細やかなアプローチの大切さを考えさせられます。
この手作りのカードが、誰かのための良い知らせに用いられるなら、
クリスマスの最高の喜びとなるでしょう。
「なんと美しいことか、良い知らせを伝える人たちの足は」
ローマ人への手紙 10章15節