シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

母という文字から

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これは私がデッサン会で描いた一枚ですが、

星野富弘さんの詩画集にも、苺を題材にした

素敵な詩があります。

 

「苺」

 

苺という文字の中に

母という字を入れた

遠い昔の人よ

あなたにも

優しいお母さんが

いたのでしょうね

時代は変わりましたが

今の子供達も皆

苺が大好きです

お母さんが大好きですよ

  (星野 富弘『足で歩いた頃のこと』より)

 

イチゴに「苺」という文字を充てた人の

センス、最高です。「母」の持つ引力は

それは絶大なのですから。

 

母をモチーフにした詩は、河野進さんも

書いています。長年、岡山のハンセン病

診療所慰問を続けた牧師さんの詩です。

 

「母という文字」

 

母という字は

上から下から

左から右から

表から裏から見ても

同じかっこうをしている

母は太陽のように

かげひなたがないもんな

 

そして、三好達治の詩にも。

 

「郷愁」

 

海よ

僕らの使ふ文字では、

お前の中に母がゐる。

そして母よ。

仏蘭西人の言葉では

あなたの中に海がある。

 

フランス語では、海はMer

そして母はMere

たしかに!日本語にもフランス語の中にも

母がいる。

 

母を思う気持ちは、万人共通の思い‥。

人はそれを「郷愁」に重ねているのかも

しれません。

 

晩秋の夕、母という文字から考えてみました。