五月も終わりにさしかかる頃、私たち夫婦は深い親交のあるドイツ人宣教師宅に
招かれました。お忙しい宣教の働きの合間を縫って、私たちのために時間を割き、
手厚くもてなしてくださる、その温かい心配りに感謝の気持ちがあふれます。
この日のホストは、12年前、私に洗礼を授けてくださった宣教師。そして奥様。
私の恩師とも言うべきお二人です。
もう十年以上前になりますが、ドイツ・スイス・オーストリアを旅行したことが
あります。ちょうど、休暇帰国中だった宣教師さんが、お宅を開放してくださり、
観光にも快く同行してくださいました。
宿・食事・ドライバー・通訳つきの、これ以上のサービスはないと思われる贅沢な
旅となりました。この一週間、特筆すべき私の人生のハイライトと言えるかも。
そんなフレンドリーな宣教師さんとの久々の再会。
笑顔で迎えてくれたお二人から、まず初めに夕食会についての説明が‥
「これから流す国歌の国名を答えてください。当たれば、その国の料理が出てきます」
「? ? ? 」
オリンピックやワールドカップの時に、世界各国の国歌斉唱を聞く機会はあるけれど、
特別に意識して聞いたことはないし、分かるかなぁ‥
不安げにモジモジする私たちに、「遊びですから、心配しないでください」との言葉。
そんな前フリがあった後、いよいよ国歌あてクイズが始まりました。
初めに白状しておきますが、分かったのはイギリスとドイツ国歌だけでした^^;
☆ 一曲目:フランス(パン&チーズ)
☆ 二曲目:ノルウェー(サーモンのホワイトソース和え)
☆ 三曲目:ロシア(ボルシチ)
☆ 四曲目:イタリア(ピザ)
☆ 五曲目:中国(春巻き)
☆ 六曲目:韓国(プルコギ)
☆ 七曲目:タイ(マンゴスティン)
☆ 八曲目:イスラエル(ナンのロールサンド)
☆ 九曲目:ドイツ(ストロベリータルト)
☆ 十曲目:イギリス(紅茶)
これらの多国籍料理の味は、どれも極上。
器も、お料理に合わせて選び抜いたものばかり。奥さまのセンスが光ります。
この日のために、どれだけ知恵をしぼり、時間をかけて準備してくれたのだろう‥
そう思うと体の奥から、じんわり熱いものがこみ上げてきます。
病院を表わすホスピタルの原義は「主人が客をもてなす所」。
そこから派生して、親切にもてなすことをホスピタリティと言うのでしょう。
「本当のもてなしとは、こういうもの」
それが、いつも宣教師ご夫妻にお会いする度に感じることです。
本当のもてなしとは、相手を楽しませるために、自分の心と労力と時間とを
捧げ尽くすことではないかと思いました。
付け焼刃ではできないことですが、心してお手本にしたいと思います。