シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

ママがおばけになっちゃった

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サッカー好きが高じて必然的に出会えた森沢明夫さんという
作家さんがいます。出会えたといってもワンサイドの話。
一面識もなし、SNS上のちっちゃなつながりですが^^;
森沢さんと言えば、昨年カナダ・モントリオール映画祭で栄えある
特別賞を受賞した、吉永小百合主演の「ふしぎな岬の喫茶店」の原作者。
原作は『虹の岬の喫茶店』。 
今や飛ぶ鳥落とす勢いの超売れっ子作家さんです。
以前、当ブログにも書きましたが、『永遠のサッカー小僧 中村憲剛物語』
著者でもあります。森沢さんは憲剛選手と大の仲良し。
そしてもう一人、絵本作家のぶみさんとも仲良しの間柄。
その、のぶみさんが昨年出版した『ママがおばけになっちゃった』は、
発売と同時に子育て中のパパママの間で評判を呼び、36万部という、
絵本では例のない大ベストセラーとなりました。そして、のぶみさんの
絵本の大ファンだという憲剛選手。つながるべくしてつながった御三方と
いうところでしょうか。つながりついでと言っては失礼ですが、次は
なんと憲剛選手がモデルの、のぶみさん新作絵本も出版されるとか。
お三人とも大好きな私には願ったり叶ったり、最高の展開になりつつあります。

さて今日のトピックは、のぶみさん作『ママがおばけになっちゃった』。
ひとこと、この絵本のインパクトはすごい!
対象年齢は3歳からですが、幼児向けと同時に大人向けの本だと思います。
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〈ママは、くるまに ぶつかって、おばけに なりました。〉
本はまず冒頭のフレーズが、どれだけ読み手の心をつかむかだと言います。
この一行、まさに「つかみはOK! 」
「 え?なになに?」 そんなリアクションが聞こえてきそうです。
母親の死という、絵本にはタブーとも思えるテーマを、いきなりぶつけて
くるのですから。

ある日突然、「ありえないこと」が「ありえる」になり、
いつも「あるもの」が「ないもの」になる。
急にママがいなくなる…。
そんなこと子供だって、きっとママ自身だって想像できないでしょう。
4歳の息子かんたろうのことが心配でたまらないママは、12時になると、
おばけになって現れ、いろいろな話をします。

「ぼく、ママがいなくなったらどうすればいいの?」
「この子、私がいなくなったらどうなるの?」
子供だったらきっと思うこと、親だったら誰もが考えること。
死という重いテーマをタブー視せず正面から向き合う斬新さに、
多くの人が共感したのだと思います。
どんなに手のかかるいたずらっ子でも、我が子と一緒にいられる喜び。
ガミガミ叱られてばかりでも、ママの腕の中でスヤスヤ眠る安心感。
本当の幸せの意味を知ること、お互いにかけがえのない存在である
ことを再確認すること。それが、この絵本の伝えたかったことかも
しれません。

河野進さんの「空気」という詩があります。
    「空気」
 お母さんは
 きれいな空気のように
 やさしい愛を
 一日じゅう注いでいる
 こどもは
 あたたかい空気のように
 うれしい愛を 一日じゅう吸っている
 どちらも気がつかずに
    ※河野進(1904-1990)牧師、詩人。
      マザー・テレサに協力する「おにぎり運動」にも尽力。

私たちは当たり前のように <きれいな空気のようにやさしい愛>を、
<あたたかい空気のようにうれしい愛>を注ぎ、また吸っています。
でも、それが特別に恵まれていることだと気がついていません。
目には見えない大切なことへの“気づきを”教えられます。
ひさしぶりに出会った“手ごたえ”たっぷりの良書。
『ママがおばけになっちゃった』 お薦めです!