シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

人はなぜ 糸を編むのか

f:id:fantsht:20210920173236j:plain

 

もう何十年も前のこと。子どもが学校から帰るまでの時間を

利用して、蒲田にあるユザワヤの編み物教室に通っていました。

当時は相模原に住んでいましたから、ゆうに往復3時間はかかる

距離。若い時はエネルギーがあるのですね。修了証書も無事、

いただくことができました。

 

ご近所に編み物が得意な友人がいて、作り目から教わったのが

まず第一歩でした。彼女が生み出すアートのような作品群に

魅了され、一本の糸から生まれるミラクル・ワールドに、

すっかり嵌ってしまいました。

 

家族用(4人分)を1シーズンに2、3枚ずつ編むのですから、

いったいどれだけの枚数を編んだのでしょう? 何か取り憑かれた

ように熱中していた十数年間は、なんだったのでしょうね。

 

毎年、YMCAのスキー教室に参加していた二人の息子のために、

とにかく軽くて温かいセーターを着せたいという母心。それが

大きなモチベーションだったのかもしれません。当時、買い漁った

バーゲン品の毛糸が、まだ少し押し入れに残っています。

 

夫の家系が超がつく長身族。わが家の息子たちも上背があります。

成長と共にセーターのサイズもどんどん大きくなって、編むのに

時間がかかるようになり、いつしか編み物熱もフェイドアウト

今は、たまに自分用のものを編むくらいです(^o^;)

 

最近、ニットデザイナーである友人から機械編み用の極細糸を

大量にいただきました。もう大作は編む気力はありません。そこで、

写真にあるように、カードのパーツ用に使わせていただいてます。

味のある、段染めのグラデーションが気に入っています。

こんな糸の使い方もまた面白いですね。

 

人はなぜ糸を編むのか?

糸を編む時、それを贈る人への思いが籠もります。ちょっと俗っぽい

言い方ですが、糸は人をつなぐ身近な表現手段。思いを形にする

ために、人は糸を編むのかもしれません。

 

   「少年の日」  

             佐藤 春夫

 

 四、君は夜な夜な毛糸編む

   銀の編み棒に 編む糸は

   かぐろなる糸 赤き糸

   そのラムプ敷き  誰がものぞ。

   ※かぐろなる=黒々としている