聖書は心に響く言葉の宝庫です。多くのクリスチャンは、
いくつもの愛唱聖句を持っています。
私の好きな聖句の一箇所、箴言(しんげん)27章17節を、
3通りの訳で書いてみます。“友”の本質を突いています。
鉄は鉄によって研がれ、人はその友によって研がれる。
新改訳
鉄は鉄をとぐ、そのように人はその友の顔をとぐ。
口語訳
鉄は鉄をもって研磨する。人はその友によって研磨される。
新共同訳
どの訳もそれぞれに味わいがありますね。微妙なニュアンスを
別訳の聖書で読み解くのも、なかなか興味深いものです。
ざらざらした所を滑らかにし、デコボコを平らにする。
研磨することで弱点が均(なら)されていく、砥石のような
役を担ってくれる友の存在は、ありがたいものです。
この壁掛けを作って贈ってくれた友だちも、私をよく研いで
くれる大切な友人の一人。遠く離れていて、ほとんど会うことは
ありませんが、電話で漏らす心配事、相談事に真剣に耳を傾け、
最適解の回答をしてくれます。頼もしい、心の拠り所です。
30年来のお付き合いで、同じ信仰を持つ者同士ということもあり
ますが、相性の良さもあるのでしょう。感性も考える方向性も、
趣味、嗜好も似ているので、多くを語らずとも通じ合えるのです。
ゴツゴツしたものを削り取る砥石と言うよりは、小さなゴミ粒を
さっとぬぐってくれる、なめし革? そんな快い間柄です。
雑誌に載っていた作品を見て、自己流にアレンジしたという壁掛け。
一つ一つに物語がありそうで、楽しくなります。かなり昔、
プレゼントして頂いたものですが、以来、ず~っと飾っているので、
だいぶ色も褪せてきました。でも、まだまだずっと癒やしてもらう
つもり。大切な私の宝物です。
これも作者は同じ友。デコパージュという手法でしょうか。
こちらは食器棚に置いています。わが家は女手は私だけ。金婚式まで
あと数年。さすがにもう、三度のご飯作りはくたびれた~(-_-;)
重い腰を上げ、このボードを見ながら、「やる気スイッチ」を
入れる今日このごろです。
さて、聖書の言葉に戻ります。
鉄は鉄によって研がれ、人はその友によって研がれる。
研ぐにせよ、研がれるにせよ、時に心がチクッとすることも
あるかもしれませんが、ほどよく磨かれて滑らかになるなら、
そんな痛みはいっときのもの。
心を研いで整えてくれる、友の存在には感謝あるのみです。