シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

いつも、そこで微笑んでいる友

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  「いつも、そこに立っている友」

            三井百合花

 

 たとえわたしたち 1年に一度

 10年に一度しか、会えなくても

 いつもそこに立っている友

 

 会えばなつかしく嬉しく

 にこやかに微笑が広がり

 目と目を合わせただけでも

 互いに思いが通じる友

 

 どんな話でも

 気兼ねなく分かち合え

 秘密なんかあり得ない

 わたしの心の片すみに

 いつも立っている友

 

 互いのために真心で幸せと

 健康を祈りあう友

 いつもそこに立っている友

 

三井百合花さんの詩集『呼吸するように 祈るように』の中に

収められた一編の詩です。

 

先日、郵便ポストに、私宛の一枚のハガキが届いていました。

差出人の名前が友人のご主人であるのを見て、妙な胸騒ぎが‥。

予感が的中、それは友人が天に召されたというお報せの便り

だったのです。

 

高校時代のクラスメート。大学卒業後、地元の小学校教員として

定年退職するまで、子供たちの教育に情熱を注ぎ続けた人。

退職後、ピアノを練習し始め、「やっと“乙女の祈り”が弾ける

ようになったのよ」と嬉しそうに話していました。

お互い、孫の自慢話や、近況を報告しあうのが楽しみでした。

年賀状と、年に1、2回、電話をするくらいの交流でしたが、

受験を控えた高3の時期を、ずっと隣同士の席で過ごした

彼女との関係は、上述の詩にもあるように、「互いに思いが

通じる友」でもありました。

 

結婚後も、遠い仙台から川崎の家を2度、訪ねてくれました。

また、「ライオンキング」のチケットが1枚宙に浮いたので、

一緒に観ない?」と誘われ、二人で浜松町の四季劇場まで

観に行ったこともあります。休憩時間に装置を覗きに行き、

その大掛かりな設備に、2人で目を丸くして眺めたことも。

ふり返れば、最後に会ったのは2010年秋。恩師を迎え

集まった高3のクラス会でした。宮城県、亘理(わたり)の

鳥の海温泉で、昔乙女たちが担任の先生を囲み、思い出話や

近況報告に花を咲かせた時のこと。教職の経験を生かし、

悩みを持つ子どもたちの窓口になる、カウンセリングの仕事を

していると話していた彼女。正義感にあふれ、優しく、包容力が

あり、よく傾聴をする。いつも笑顔100%の彼女の佇まいは、

教職がまさに天職と思わせるものでした。

 

ご主人によれば、病の宣告を受けてから4年近くも闘病を

続けていたとのこと。 まったく、知りませんでした―。

昨年夏も、ふだんどおり他愛もない言葉を交わし、元気でいると

ばかり思っていたので、未だ報せに実感がわかないのです。

様態が急変したのは、昨年12月下旬だったとのこと。

 

前向きな明るさが家族を初め、友人知人、病院スタッフに、

生きる勇気と希望を感じさせる笑顔の人でした。

 

ご主人の言葉に、彼女の人となり、生き方そのものが凝縮されて

いて、思わず、何度も頷いてしまいました。

 

「いつも、そこに立っている友」

「いつも、そこで微笑んでいる友」

きっと渾身の力を込めて書いてくれたであろう、最後の年賀状。

年賀状の向こうに、いつもどおりの明るい笑顔が浮かびます。

 

 鉄は鉄によって研がれ、人はその友によって研がれる。

               箴言27章17節