ニットデザイナーの友人がいまして、余った毛糸や段染め糸を沢山
いただきました。かなり細い糸なので、手持ち毛糸と2本取り、
3本取りに取り混ぜて、ベストを編み始めています。最近、目も
手もおぼつかなくなってきて、完成の日の目を見るのか、何とも
怪しいのですが、ゆっくり編み進めたいと思っています。
このベストもそうですが、世界に一つだけのオリジナルという
ことばに、とても魅力を感じます。後にも先にも、これ一つしか
ないもの。これって凄いことではないでしょうか。人間も神さまの
オリジナルブランド。オンリー・ワンです。
もちろんメロディも好きですが、歌詞が素晴らしい！
「No.1にならなくてもいい、もともと特別なオンリー・ワン」
このフレーズ、実はSMAPよりずっと前に聴いたことがありました。
20年ほど前、所属する教会の新会堂建設記念コンサートにゲスト
出演された、沖縄出身のテノール歌手、新垣勉さんのお話の中に、
この“オンリー・ワン”のメッセージがあったのです。
新垣さんの生い立ちは苦難に満ちたものだったようです。助産婦の
誤ちによって失明、米軍兵士だった父と自分を捨てた母、両親の
離婚、自分を育ててくれた祖母の死‥。両親を憎み、視力を奪った
助産婦を恨み、人生を呪う絶望の日々。
そんな逆境の中で出会った賛美歌が、新垣さんを救うきっかけと
なりました。天性の美声に恵まれた新垣さんは、歌手になりたい
との大志を抱くようになり、ボイストレーニングのオーディション
を受けます。その時、トレーナーから、「君の声は日本人離れした
ラテン的な響きがある」と言われ、新垣さんが、父はラテン系の
アメリカ人だと告げると、「それは神さまからのプレゼントだ。
お父さんに感謝しないとね」という一言が返ってきたそうです。
それは新垣さんにとってアイデンティティー（自己価値）が一変
するほど衝撃的なことばだったのだそうです。きっと神さまが、
トレーナーの口を通して、「親を許し、人生の向きを変えて一歩を
踏み出しなさい」と励まされたのではないでしょうか。
私の目には、あなたは高価で尊い。
わたしは あなたを愛している。（イザヤ書43章4節）
聖書の中心的なメッセージです。神さまから私たちに宛てた愛の
手紙とも言えます。自分は弱い、自分は人より劣っていると、誰か
との比較の中でダメな自分を卑下しやすい私たちですが、あなたは
高価で尊いのだよ、世界に一人しかいないのだよと、やさしく語り
かけてくださる神さまを見上げる時、自己憐憫から解放されるに
ちがいありません。
あなたも、私も「オンリー・ワン！」
まもなく2021年を迎えますが、このキャッチコピーを握って、
自分らしい一年にしたいと思っています。
