5、6年前に孫が摘んできた野菊
口が一つなのに耳が二つあるのは、聞くことのほうが大切だから。
そんな言い回しを、よく聞きます。
十年以上前、突発性難聴を発症。治療の甲斐あって標準レベルまで
回復しましたが、最近は、後遺症というより加齢のせいなのか、
少しずつ聴こえが悪くなっている気がします(~_~;)
だからという訳でもないのですが、できるだけ耳をダンボにし、
聞くことに集中するようにしています。今は集音器や補聴器の
性能も良いそうなので、あまり心配はしていませんが。
なぜ、聞くことが大切なのか。なるほどと頷ける、こんな一文が
あるので紹介したいと思います。
「聞く」
友の意見を聞く、先輩の意見を聞く、親の意見を聞く、
子の意見を聞く、反対する者の意見を聞く、敵の意見を聞く、
大衆の意見を聞く、総じて自分以外のものの意見を聞くという
ことは、自分が正されてゆくことです。
自分は正しいとする私有観念が壊されてゆくこと、自分が
拠り所としていることを問い直してゆくこと、聞くということは
そういうことです。語ることよりも聞くことのほうが消極的な
受け身の態でありながら、内的に充実して深みをたたえて
いるのは、「自分を捨てる」ことがそこにあるからです。
藤木正三著『神の風景』(ヨルダン社)より抜粋
聞くことの極意は、「自分を捨てる」ことなのですね。
異論があっても、なくても、一旦、相手の意見を受け留める
こと。そうか。自分とは考えが違うけれど、そういう見方も
あるのかと‥。
雄弁に語る相手の話を、遮らず最後まで聞くのは、忍耐も必要
ですが、円滑なコミュニケーションには、重要ポイントです。
「なるほど、その考え方も有りね。私はこう思うけどね」
ほぼ、これで会話は成立。波風立たず、継続していくでしょう。
一旦、自分を無にし、まず相手の意見を引き取っていくなら、
結果、冷静沈着に、自分が正されていくことにもなります。
日頃から、しっかり聞く姿勢を意識づけたいものです。