シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

「ステンレスという名のあなたに」~選ばれし者の生き方~

 

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                       最新作の小丼

 

吉野弘さんの詩集の中に、「ステンレスという名のあなたに」と

いう、ちょっとユニークなタイトルの詩があります。ステンレスの

特質をよく捉えていて、人間の生き方にも通じる深い味わいが

あります。

 

   ステンレスという名のあなたに    

               吉野 弘

 

 初志は錆びやすく腐食しやすいものだから

 時間の酸を浴びながら

 くもりなく輝いている あなたが

 目にまぶしい

 

 人は

 欠点の寄せ集めみたいなものだから

 美質だけで合成されたあなたの

 ひかえめな自信の光沢が

 匂うようだ

 

 選ばれたもの あなたの日々の生き方は

 常に美しいこと 肌の匂うこと

 強いこと くじけぬこと

 忍耐を誇らぬこと

 

Stain()Less(少ない)を合わせて出来たことばがステンレス

なのだとか。鉄にクロムを添加していくと、徐々に錆びにくく

なっていき、ほとんど錆が出なくなったものをステンレスと

呼ぶのだそうです。究極まで磨かれ、整えられ、強度が施された

材質。汚れにくく、美しさが長持ちし、劣化しにくい金属。

いいな、ステンレス。美質のオンパレードですね。

 

ステンレスが成形される過程、選ばれたものの生き方が、

どことなくクリスチャンにも通ずるところがあって、この詩に

共感を覚えるのかもしれません。

 

陶器師である神さまは、ひび割れやシミのある器を、何度でも

土をこねて意のままに作り直してくださいます。

なぜなら神さまは、

「わたしが選んだ者を、わたしは決して見放さず、見捨てない」

と言われるからです。

 

「あなたがたが わたしを選んだのではなく、

 わたしが あなた方を選び‥」

             ヨハネ福音書 1516

 

「わたしは決してあなたを見放さず、あなたを見捨てない」

             ヘブル人への手紙 13章5節

 

キリスト教の“選び”は、誤解されると本質から離れた選民思想

なってしまいます。だからこそクリスチャンは、その生き方を

通して、真の神の“選び”とは何かを示していくことが求められて

います。

 

値なき私を神さまが選んでくれたという、この一事に尽きる

恩寵に、応える生き方ができるよう祈っていきたいと思います。