シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

よく生き よく笑い よき死と出会う

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                   綿の花

 

タイトルは、先日亡くなられたアルフォンス・デーケン著、

『よく生き よく笑い よき死と出会う』から―。

 

先日、デーケン先生の訃報を聞き、大変驚いています。

長年にわたり、上智大学の名誉教授を務められ、「死生学」を

日本に定着させた神父、神学者。終末期医療やホスピス

運動の発展に尽力されました。デーケン先生の講演や著書に

影響を受けた人は、どれほど多いことでしょう。

 

私も一度、このタイトルでの講演を聴き、大いに感動した

一人です。易しいことば遣い、ユーモアたっぷりな語り口は、

聴く人の心をとらえて離さない魅力的なものでした。

 

「ユーモアとは、

 にもかかわらず、笑うことである」

ドイツの諺だそうですが、デーケン先生に、このことばを教えて

頂いてから、生き方の質が変わりました。「にもかかわらず」

ということばのインパクトは、それほど強力なものです!

 

ユーモアはラテン語フモールと言い、液体を意味するそうです。

中世のヨーロッパでは、錬金術師が重用されていました。

純金を作り出す工程が、健康体を生む医療に通じると思われた

からか、錬金術師が施療を兼ねることもあったようです。

純金を生む工程と、健康なフモール(体液)を生む工程は、

素人目にはまったく別物のような気もするのですが‥。

 

実はこの話、昔、大学でも習ったことがあります。錬金術師の

家には赤・青・白の看板があったのだと。うろ覚えですが、

色が象徴するものは動脈、静脈、リンパ液。よく床屋さんの

店先でクルクル回っている看板も、それに由来するのだと

聞いた記憶があります。

 

話がそれました。

読売新聞の9月8日付コラムからの引用です。

 

成績優秀だった小学生のとき、ナチのエリート養成校を薦められ

恐怖をよぎらせながら断るのだが、人生の選択は心で勇気を

持って決める瞬間があるのだと子どもたちに告げている。

よき死を迎えられたかどうか。問うまでもない人が旅立った。

 

よく生き よく笑い よき死に出会うために必要な、デーケン

先生の印象的なことば。他にもたくさんあります。

 

「晴れてもアーメン 雨でもハレルヤ」

困難なことが起きたとしても、不要な思い煩いから自由になる

ための力あることばですね。大切に心に刻みたいと思います。