赤貧というわけではないので、ピンク色くらいの貧乏
この、いかにもユニークなことばの使い手は片山廣子さんと
ランド文学の翻訳も手がけられた女性のようです。少し前、
あった方だとか。
ネット検索をしていて、偶然、インターネットの図書館、
世界~というファイルに触れる機会がありました。
実はこのことばは、熊井明子著『私の部屋のポプリ」にも
紹介されていて、強烈なインパクトがあって頭の隅に残って
いました。
私は戦後の貧しさの中で生きているけれど、死ぬか生きるかの
瀬戸際のところにはいないので、ピンク色くらいの貧乏かも
しれない、そういう意味合いのことをサラッと綴っています。
言い得て妙というか、何ともチャーミングな感性の持ち主
なのでしょう。
旧かな遣いの文章のため、スラスラとは読めませんが、
片山廣子さんの世界、ちょっと味わってみたくなりました。
心の均衡がとれている方なのでしょうね。こんな文章で
締めくくっています。
死ぬといふことは悪い事ではない、人間が多すぎるのだから。
生きてゐることも悪い事ではない、生きてゐることを
たのしんでゐれば。
片山さん流の死生観は、人によって考え方に違いはあると
思いますが、なかなか人間味があって、明るい未来を
見据えているようで興味深いものがあります。
※「赤とピンクの世界」というタイトルに見合う写真が
なかったので、お目汚しになりますが、始めてから日が浅い
パステル画を! ピンク主体の薔薇ですが、陰影をつける
赤の加減が、とても難しかったです(^o^;)