シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

赤とピンクの世界

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貧というわけではないので、ピンク色くらいの貧乏

 

この、いかにもユニークなことばの使い手は片山廣子さんと

いう女性。歌人、随筆家、そして松村みね子の名でアイル

ランド文学の翻訳も手がけられた女性のようです。少し前、

NHKの朝ドラ「花子とアン」の村岡花子女史とも親交が

あった方だとか。

 

ネット検索をしていて、偶然、インターネットの図書館、

青空文庫が作成した、片山廣子著『燈火節』~赤とピンクの

世界~というファイルに触れる機会がありました。

実はこのことばは、熊井明子著『私の部屋のポプリ」にも

紹介されていて、強烈なインパクトがあって頭の隅に残って

いました。

 

私は戦後の貧しさの中で生きているけれど、死ぬか生きるかの

瀬戸際のところにはいないので、ピンク色くらいの貧乏かも

しれない、そういう意味合いのことをサラッと綴っています。

言い得て妙というか、何ともチャーミングな感性の持ち主

なのでしょう。

旧かな遣いの文章のため、スラスラとは読めませんが、

片山廣子さんの世界、ちょっと味わってみたくなりました。

 

心の均衡がとれている方なのでしょうね。こんな文章で

締めくくっています。

 

死ぬといふことは悪い事ではない、人間が多すぎるのだから。

生きてゐることも悪い事ではない、生きてゐることを

たのしんでゐれば。

 

片山さん流の死生観は、人によって考え方に違いはあると

思いますが、なかなか人間味があって、明るい未来を

見据えているようで興味深いものがあります。

 

※「赤とピンクの世界」というタイトルに見合う写真が

なかったので、お目汚しになりますが、始めてから日が浅い

パステル画を! ピンク主体の薔薇ですが、陰影をつける

赤の加減が、とても難しかったです(^o^;)