シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

『若草姉妹』に憧れて

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子どもの頃、繰り返し読んだオルコットの少女小説『若草姉妹』。

詳しい内容は覚えていないのですが、物語の冒頭部分、居間に飾った

クリスマスツリーを囲んでくつろぐ、四姉妹の愛らしい笑顔の挿絵が

遠い記憶に蘇ります。

 

戦争で父が不在のマーチ家では、優しい母を中心に、四人の娘たちが

互いに自分の役割を担いながら助け合って生きています。貧しくても

家族として、一人の女性として社会的な自立を促す母の教えは、きっと

現代にも役立つ、尊いものだったことでしょう。

 

個性の違うマーチ家の四姉妹は、メグ、ジョー、ベス、エイミー。

四人の名前は、しっかり覚えていました。元々、四姉妹だった自分の

境遇と重ねて覚えていたからかもしれません。私のすぐ上の姉の名は

「七恵」と言いました。生まれてすぐ天に召されたので、私は一度も

会っていません。母が「七つの恵みだなんて、欲張り過ぎたのかな」と

呟いていたのを思い出します。

 

私たち三姉妹も共に高齢者となりましたが、仲の良さは相変わらず。

マーチ家と同じように姉妹の個性は全く違いますが、不思議なことに

色々な面で驚くほど似ているのです。洋服や器の趣味も似ています。

定食を取ると残す食材が同じという‥。五感で感じるものについては

他人が驚くほど、いえ、自分たちさえ呆れるほどそっくりなんですね。

つきつめれば、母の影響がかなり大きかったのだと思います。

 

体質も似ているのか、旅をするとそれが顕著に表れます。お腹が空く、

疲れる、感動する、眠くなる…。そんなタイミングもほぼ一緒。

まるで申し合わせたように「あ、同じこと考えてた!」と。

 

電話をかけるタイミングもほぼ一緒。かけようと思っていると、

どちらかの姉から電話がかかる。 途中でキャッチホンが入ると、

もう一人の姉から‥といった具合です。テレパシーなのかどうか、

これは私たち姉妹にしか分からない感覚かもしれません。

三人が集まる機会は減りましたが、分身のごとくに互いを想い合う。

そんな存在があることを幸せに思います。

それぞれの個性を大切に育てられ、成長していく若草姉妹の姿は、

憧れでもあり、一つの理想形として心をくすぐるのかもしれません。

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そんなわけで、いつもお世話になりっぱなしの二人の姉のために、

感謝をこめて、おそろいのティーカップを作りました。

手捻りの拙さはありますが、喜んでもらえたら嬉しく思います。