ハンドルネームに“しおん”を選んだのは、
ほかにも幾つか理由があるのですが、単純に
しおん(紫苑)という花が好きだったことも
あります。淡い藤色は自己主張することもなく、
景色に優しく調和している。自分の内向的な
性格に重なるところに惹かれるのかもしれません。
「君を忘れない」「遠方にある人を想う」と
ありました。なかなか良いイメージの花言葉に、
なるほど、なるほどと頷いていると、後に続く
説明で「目がテン」に。しおんには別名あり。
しかも、その名は「鬼の醜草(しこぐさ)」と。
可憐で清楚なしおんの別名が 鬼?醜草ですか?
ギャップの大きさに唖然としましたが、どうやら
「今昔物語集」の中の感動秘話に由来するようです。
愛する母の亡き後、兄と弟は墓参を欠かしません
でした。しかし兄は墓前に忘れ草の花を植え、
いつしか墓参の足が遠のいていきました。
弟は墓前に紫苑の花を植え、墓参を欠かしません
でした。兄弟の様子を見ていた鬼は、弟の母を
想う気持ちに心を動かされ、弟に特別な力を授け
ます。弟はその力のおかげで幸せな人生を送りました。
鬼が弟に与えた力とは、「醜(しこ)」。
それは「強さ」でした。
風にそよぐ姿から「強さ」は見い出せませんが、
芯には大切な人を想う強い気持ちが秘められ、
強風に煽られても易々とは倒れません。
しなやかさと強靭さを併せ持つ、醜草の名の
由来に納得し、あらためて「しおん」という
ハンドルネームを選んだことに満足しています。