シャロンの薔薇

聖書から学んだこと・日々の出来事・ハンドメイド

何という愛

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インターネット・ショッピングの楽しさを覚えてから、やや衝動買いが
増え、緩んだ財布の紐を締め直さねばと思っている今日この頃…

今朝も注文した図書が届きました。朝の家事もそこそこに読み始め、
結局は最後まで読み通してしまいました。
今、水を打ったような静かな感動に包まれています。
今日は、その本の紹介をしたいと思います。

 ◆『何という愛』◆ 

    コーリー・テン・ブーム著/岸本みくに訳(いのちのことば社

コーリー・テン・ブームは1892年、オランダ生まれの女性です。
第二次世界大戦中に、ユダヤ人をかくまった咎で、姉と共にナチス・ドイツ
収容所へ送られます。姉のベッツィーは補囚されたまま亡くなりますが、
コーリーは奇跡的に釈放され、その後の30年余りの間に64カ国を旅して回り、
歴史の証人として、また福音の証し人として生涯を送りました。

本に挿入されていた印象的な詩を引用します。

   人生は 神と私の間で織りなされる織物

   色を選ぶのは私ではない

   神がたゆみなく働かれる

   時折 神は悲しみを織り込まれるが

   愚かなプライドのうちにいる私は

   忘れている

   神は表側を 私は裏側を見ていることを


刺繍は布の裏側を見ても、どんな模様であるのか、ある程度しか想像できません。
たくさんの糸が複雑に絡み合って、とても醜い状態です。
でも、ひっくり返して表を出すと美しい絵が姿を現します。

人生も、刺繍の裏側のように糸がもつれ合い、渡り合いして複雑な文様を呈して
いるものですが、それでも溜息をつくことはないと、コーリーは言うのです。

「汚い裏側を見て失望するのは、もうおやめなさい。
 なぜなら表側の美しい絵をステッチしているのは神様なのだから。」

暗黒のゲシュタポ収容所の中で、何度も繰り返される神のレッスンを通し、
より神への信頼と確信を深めたコーリーは決心します。
この地獄絵図の中で出会った神の「何という愛」。
人を赦せず苦しんでいる人、信じることができず絶望している人。
その人たちに、この愛を伝えなければと。

  赦すことと信じることが、苦難の中にある人の魂に、いかに大きな癒しの
  力を持つかを、コーリーと出会った人々を通して見ることができます。
                             (あとがき より)

心の裏側を見れば、その汚さに思わず失望してしまいそうですが、
たゆみなくステッチ針を動かしてくださる神様にお任せして、最後には美しい
人生模様が完成することを信じて生きて行けたらいいな‥
そんな生き方の勧めに、深くうなずけた良書との出会いでした。
 
夫の母が丁寧に刺してくれたクロス・ステッチの花を、感慨深く見つめ直した
朝のひとときでした。